私が日記を書こうとすると「最近○○していない」とか「できていない」とか未処理案件ばかり羅列して「だからなんなのか」という話になりがちである。今「映画館に全然行けていない」と書こうとして得た気付きなのだが、これはひとえにGOG

私が日記を書こうとすると「最近○○していない」とか「できていない」とか未処理案件ばかり羅列して「だからなんなのか」という話になりがちである。今「映画館に全然行けていない」と書こうとして得た気付きなのだが、これはひとえにGOG Vol.3を見に行きたいのに見に行けていないからだ。でも少し前に黒鉄の魚影は見に行った。蘭おねえさん(丁寧語)がバルコニーから飛び出すシーンが派手すぎて「俺はマーベルを観に来たんだったか?」という気持ちになったし、最高に良かった。何にせよ、哀ちゃんもジンの兄貴も一生推せますね。

最近アンディ・ウィアーを読んでいるから自分の文章もあのスピード感に引きずられて前のめりになっている気がする。が、悪いことではないと思うようにする。日記をグダグダ書いても仕方ないので。

Tags

More Posts from Um1aut and Others

4 years ago

Nさんのこと

大学に入学して最初のオリエンテーションが終わった後、教室を出て行く教員と入れ替わりに上級生が入ってきて「夕方から歓迎の花見をやるので是非参加してください」と案内をした。大学の、同じ専攻という括りで縦割りの交流があるとは思っていなかったのだが、考えてみれば学年で40人もいないような狭いコミュニティなのだった。一応周りの人に行くかどうか訊ねると皆「とりあえず」という感じで参加するつもりになっている。ただ一人、まだ部屋が決まらずに長野から通学している人だけは「新幹線の時間があるから」と言って帰って行った。

夕方ぞろぞろと電車に乗り込んで花見会場へ向かう。桜が綺麗なことで有名な公園だと行きしなに聞かされる。着いてみれば確かに満開の桜が無数にあって眺めがいい。朝から場所取りをしていたという上級生が、広いシートの上でゴロゴロと退屈そうに過ごしていた。新入生は促されるまま、大量に用意されたつまみと飲み物の間へバラバラと腰を下ろした。

歓迎会を仕切っていたのは主に、専攻に関わる研究会のメンバーらしかった。色んな人が入れ替わり立ち替わり新入生たちのもとへやってきて、大学はどうだの、先生はどうだのと話をしてくれる。そのうち、私が座っていたグループのところへNさんという四年生が来た。穏やかでいい人そうだな、というのがその時の印象だった。

最初の質問らしく、Nさんは私に「どうして哲学をやろうとしたのか」と訊いた。法学部を蹴ってこちらへ来た口の私は「自分の考える幸福というものが他の人にそうとは限らないと思ったので、他の人が幸福をどう考えているのか知りたいと思った」と、概ねそんなことを答えた。当時私はデカルトにハマっていたので、Nさんと延々デカルトの話をした。Nさん自身はカントを専門にしていた。「カントもやるといいよ」とNさんは言った。ドイツとフランスでは性格が違うから色々学んで考えを確立して行った方がいい、というようなアドバイスをくれたように覚えている。

私はこの日ずっとNさんと話していたので、同席していた上級生からは暫く「花見でずっとN君と喋っていた子」と覚えられていた。研究会へは何度か顔を出したが、結局正式なメンバーにはならずに終わった。課外活動も研究に取り組むより、小説や詩を書き寄って売るという頓狂な取り組みに傾倒するようになったからである。

Nさんとは講義が被ることもほぼなかったが、時折学内で姿を見かけた。院に進学した頃からは、その頻度が少なくなっていたように思う。しかし同じように見かけないと思っていたらインドに行っていたような人もいたし、Nさんもそんな感じだろうと思っていた。そのまま博士課程まで進んで研究者になるまでここにいそうだなと勝手にそう思い込んでいた。

ある年の冬、Nさんと同じ研究会に所属する同級生が慌てたようにやって来て言った。

「Nさんが亡くなったんだってよ」

その言葉を私は全く理解できなかった。

その人はこうも続けた。

「それで、今日Nさんの親御さんが友達や研究会の人に話を聞きたいそうだから、これから大学に行ってくる」

その人がのちに話してくれた内容によれば、大学ではNさんの親御さんと教員と研究会のメンバーが主に集まって色々と話をしたらしかった。Nさんの親御さんはNさんが亡くなった理由について、思い当たることがないか聞きたいというような旨でお話をされたという。しかし皆「信じられない」と驚くばかりで、思い当たるようなことは結局見出せなかったということだった。

それからも折に触れ、当時を知る人とNさんを思い出してたわいもない話をした。何しろ飄々としたかっこいい人だったね、と。今でさえそれくらいしか、Nさんのことを知らない。今回書き記すにあたってまた誰かに何か聞いてみようかとも思ったが、結局一人で思い出すままに書き終えようとしている。こういう機会は実は以前にもあった。しかしその時私はなぜだか急に、Nさんの名前を忘れてしまったのだ。文字数と語感は覚えているけれど、はっきりした名前が思い出せない。しかし「あの人、名前なんだっけ」と聞いて回るのも、そんな切り出し方はあまりに酷いと思ってできなかった。Nさんの名前を思い出そうとして思い出せないまま、さらに何年も月日が過ぎた。

それが、なぜだかは全くわからない。先日朝目が覚めた瞬間、Nさんの名前をはっきりと思い出した。あの花見の日に初めて聞いた時ほどに真新しい感覚で、記憶の底から甦ってきたのだ。人間の脳は思い出そうという行為を一旦やめてもバックグラウンドで検索し続けていると何かで見た気がする。私の脳は数年もかかってやっとNさんの名前を思い出したというわけで、これにより漸くこの思い出を書き記すことができた次第である。

東京は数ヶ月後にオリンピック開催を控えていること、世の中はコロナで全てが様変わりしてしまったことをNさんが知ることはない。Nさんが生きていたら何を思っただろうか、と考える。しかしそれも結局、自分の中で反響するだけでどこからも答えは返ってこない。たいした関わりもない人間が僅かな思い出を掘り起こして書き連ねる意味があるとも思わない。ただ私の生きている限り、Nさんを忘れない。


Tags
4 years ago
もう8日であるし、七草も入っていない。昔から柔らかい御飯が大嫌いで、粥というものを食べられるようになったのはだいぶ最近になってからだ。それも中華粥の濃い味を食べてようやく抵抗がなくなったという次第である。中華粥!角煮と搾菜を添えた中華粥を食べたい。今はコーヒーを飲んでいる。

もう8日であるし、七草も入っていない。昔から柔らかい御飯が大嫌いで、粥というものを食べられるようになったのはだいぶ最近になってからだ。それも中華粥の濃い味を食べてようやく抵抗がなくなったという次第である。中華粥!角煮と搾菜を添えた中華粥を食べたい。今はコーヒーを飲んでいる。

4 years ago

210505

連休前にネットで取り寄せてまで買ったフィルムを丸ごと使わないまま終わった。土曜日、用事があって出かけた新宿は路上に大量の空き缶と、食べ終わったカップ麺の容器が箸を突っ込んだままに放置されていた。朝九時。用事を終えて同じ場所を二時間後に通ると、清掃されたようで跡形もなく消えていた。朝、駅前で疲れたように蹲っていた人は、二時間後もまだそこにいた。どこから聞こえてくるのか今ひとつわからない大音量の広告。次第に頭が痛くなる。新宿という街を、これからもずっと好きになれない気がしている。


Tags
2 years ago

モバイルSuicaのクレジット連携をやめた。理由はカードの請求額を見るたびに驚いてしまうからである。一回1万円を月に2回チャージしたらそれだけで2万円も加算されてくるので心臓に悪い。ATMから現金チャージしてその場で精算される方が心の健康には良い(当社比)。

気候が良くなって規制が緩和されて学校へ行く人々、在宅勤務が解除されてしまったのであろう人々、外出を楽しんでいる人々と一緒くたになって毎日電車に乗っている。つらい。多分お互いにそれぞれみんな、つらい。でも私は私の痛みしかわからないから、この3年間在宅と無縁でひと気の少ない東京をひたすら徘徊した(ある種快適な)体験を経て今とてもギャップに苦しんでいます。と言う顔をして電車に乗っている。絶対に立ちたくないから始発駅までわざわざ戻って乗っているんだけど、さすがに我ながら何やっているんだかわからない。もはやなにも。

4 years ago

東京に来て随分経つけれど、この都市に対してずっとコミュ障を発揮している


Tags
4 years ago
wut are u into
好きな映画や小説・漫画などよければ教えてください
2 years ago
買い物へ行ったら国産レモンが袋で売っていた。いつのまにかそんな季節になっていたらしい。全部切って蜂蜜と砂糖と瓶に入れた。一晩でだいぶ果汁が出ている。

買い物へ行ったら国産レモンが袋で売っていた。いつのまにかそんな季節になっていたらしい。全部切って蜂蜜と砂糖と瓶に入れた。一晩でだいぶ果汁が出ている。


Tags
2 years ago
精神の調子が悪い時は何一つ面白くないし、いい時は最高に面白く読めるのがブコウスキーだと思う。何というかブコウスキー全般、ゼリーのカップに手を突っ込んでひたすら潰しまくった挙句、気付いたら全部溶けて液体になっていた時の虚無に大笑いしたい人生の人向き。

精神の調子が悪い時は何一つ面白くないし、いい時は最高に面白く読めるのがブコウスキーだと思う。何というかブコウスキー全般、ゼリーのカップに手を突っ込んでひたすら潰しまくった挙句、気付いたら全部溶けて液体になっていた時の虚無に大笑いしたい人生の人向き。


Tags
3 years ago

自分のiPhoneを見て、イヤホンジャックがないことに今更しみじみと気がつく。かつてガラケーにアンテナがついていて、これをカラフルに光らせてみたりするという文化があったように、iPhoneを充電しながらジャックにイヤホンをさして音楽を聴くという行為は、これはこれで一つの文化だったのだと思う。イヤホンジャック廃止はそれ以前のやり方から言えば確かに不便な側面はあり、そのためにイヤホン用と充電用で二つの差し込み口がついたドックが販売されているのは当然と言えば当然だろう。しかしなんというか、この種の旧態維持が実現することによって得られる充足は、たぶんノスタルジーに似ていなくもない。


Tags
4 years ago
そんなわけで全巻セットを無事受け取る。地図付き!嬉しい。

そんなわけで全巻セットを無事受け取る。地図付き!嬉しい。

昨晩はAmazonプライムで「GET DUKED!」を見た。エディンバラ公主催の「都会の若者を田舎に連れ出す」企画に参加した男子高校生四人の珍道中。メンバーは不良三人と、真面目な一人。適当に終わらせて帰るつもりが、謎の「公爵」に命を狙われ……というストーリー。自国民と王室にも容赦しないイギリス人のブラックユーモアが全編に渡り炸裂している。言うなればブリテンスピリットの塊である。引率の教師役がSHERLOCKでアンダーソンを演じたジョナサン・アリスで、個人的には嬉しい邂逅だった。

高校生の他にハイランド住民の高齢者たちがゾロゾロ出てくるのだが、これがまた元気いっぱいで良い。「ロンドンゾンビ紀行」(高齢者たちがゾンビと戦う)を彷彿とさせるテンションの高さ。見習いたい(?)。


Tags
Loading...
End of content
No more pages to load
  • kiritoruno
    kiritoruno liked this · 2 years ago
  • tmdiary
    tmdiary liked this · 2 years ago
  • hanamura-chi
    hanamura-chi liked this · 2 years ago
  • um1aut
    um1aut reblogged this · 2 years ago
um1aut - 月刊地獄めぐり
月刊地獄めぐり

ゾンビよ、朝には死んだように眠れ

155 posts

Explore Tumblr Blog
Search Through Tumblr Tags