um1aut - 月刊地獄めぐり
月刊地獄めぐり

ゾンビよ、朝には死んだように眠れ

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4 years ago

風呂の水を抜こうとしてふと鏡を見たら自分の顔が真っ白だった。昼間ヴィスコンティの描く老人に着いて考えていたからそう思ったのかもしれない。他人を通して相対的に時間を認知する時、そこにはある種の哀しみがあり、それが時に憐れっぽさを演出するのだけれど、それを別の人間がシアターの椅子に座ってスクリーンに見ている、そういう人間の構図。


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4 years ago

Nさんのこと

大学に入学して最初のオリエンテーションが終わった後、教室を出て行く教員と入れ替わりに上級生が入ってきて「夕方から歓迎の花見をやるので是非参加してください」と案内をした。大学の、同じ専攻という括りで縦割りの交流があるとは思っていなかったのだが、考えてみれば学年で40人もいないような狭いコミュニティなのだった。一応周りの人に行くかどうか訊ねると皆「とりあえず」という感じで参加するつもりになっている。ただ一人、まだ部屋が決まらずに長野から通学している人だけは「新幹線の時間があるから」と言って帰って行った。

夕方ぞろぞろと電車に乗り込んで花見会場へ向かう。桜が綺麗なことで有名な公園だと行きしなに聞かされる。着いてみれば確かに満開の桜が無数にあって眺めがいい。朝から場所取りをしていたという上級生が、広いシートの上でゴロゴロと退屈そうに過ごしていた。新入生は促されるまま、大量に用意されたつまみと飲み物の間へバラバラと腰を下ろした。

歓迎会を仕切っていたのは主に、専攻に関わる研究会のメンバーらしかった。色んな人が入れ替わり立ち替わり新入生たちのもとへやってきて、大学はどうだの、先生はどうだのと話をしてくれる。そのうち、私が座っていたグループのところへNさんという四年生が来た。穏やかでいい人そうだな、というのがその時の印象だった。

最初の質問らしく、Nさんは私に「どうして哲学をやろうとしたのか」と訊いた。法学部を蹴ってこちらへ来た口の私は「自分の考える幸福というものが他の人にそうとは限らないと思ったので、他の人が幸福をどう考えているのか知りたいと思った」と、概ねそんなことを答えた。当時私はデカルトにハマっていたので、Nさんと延々デカルトの話をした。Nさん自身はカントを専門にしていた。「カントもやるといいよ」とNさんは言った。ドイツとフランスでは性格が違うから色々学んで考えを確立して行った方がいい、というようなアドバイスをくれたように覚えている。

私はこの日ずっとNさんと話していたので、同席していた上級生からは暫く「花見でずっとN君と喋っていた子」と覚えられていた。研究会へは何度か顔を出したが、結局正式なメンバーにはならずに終わった。課外活動も研究に取り組むより、小説や詩を書き寄って売るという頓狂な取り組みに傾倒するようになったからである。

Nさんとは講義が被ることもほぼなかったが、時折学内で姿を見かけた。院に進学した頃からは、その頻度が少なくなっていたように思う。しかし同じように見かけないと思っていたらインドに行っていたような人もいたし、Nさんもそんな感じだろうと思っていた。そのまま博士課程まで進んで研究者になるまでここにいそうだなと勝手にそう思い込んでいた。

ある年の冬、Nさんと同じ研究会に所属する同級生が慌てたようにやって来て言った。

「Nさんが亡くなったんだってよ」

その言葉を私は全く理解できなかった。

その人はこうも続けた。

「それで、今日Nさんの親御さんが友達や研究会の人に話を聞きたいそうだから、これから大学に行ってくる」

その人がのちに話してくれた内容によれば、大学ではNさんの親御さんと教員と研究会のメンバーが主に集まって色々と話をしたらしかった。Nさんの親御さんはNさんが亡くなった理由について、思い当たることがないか聞きたいというような旨でお話をされたという。しかし皆「信じられない」と驚くばかりで、思い当たるようなことは結局見出せなかったということだった。

それからも折に触れ、当時を知る人とNさんを思い出してたわいもない話をした。何しろ飄々としたかっこいい人だったね、と。今でさえそれくらいしか、Nさんのことを知らない。今回書き記すにあたってまた誰かに何か聞いてみようかとも思ったが、結局一人で思い出すままに書き終えようとしている。こういう機会は実は以前にもあった。しかしその時私はなぜだか急に、Nさんの名前を忘れてしまったのだ。文字数と語感は覚えているけれど、はっきりした名前が思い出せない。しかし「あの人、名前なんだっけ」と聞いて回るのも、そんな切り出し方はあまりに酷いと思ってできなかった。Nさんの名前を思い出そうとして思い出せないまま、さらに何年も月日が過ぎた。

それが、なぜだかは全くわからない。先日朝目が覚めた瞬間、Nさんの名前をはっきりと思い出した。あの花見の日に初めて聞いた時ほどに真新しい感覚で、記憶の底から甦ってきたのだ。人間の脳は思い出そうという行為を一旦やめてもバックグラウンドで検索し続けていると何かで見た気がする。私の脳は数年もかかってやっとNさんの名前を思い出したというわけで、これにより漸くこの思い出を書き記すことができた次第である。

東京は数ヶ月後にオリンピック開催を控えていること、世の中はコロナで全てが様変わりしてしまったことをNさんが知ることはない。Nさんが生きていたら何を思っただろうか、と考える。しかしそれも結局、自分の中で反響するだけでどこからも答えは返ってこない。たいした関わりもない人間が僅かな思い出を掘り起こして書き連ねる意味があるとも思わない。ただ私の生きている限り、Nさんを忘れない。


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4 years ago

210505

連休前にネットで取り寄せてまで買ったフィルムを丸ごと使わないまま終わった。土曜日、用事があって出かけた新宿は路上に大量の空き缶と、食べ終わったカップ麺の容器が箸を突っ込んだままに放置されていた。朝九時。用事を終えて同じ場所を二時間後に通ると、清掃されたようで跡形もなく消えていた。朝、駅前で疲れたように蹲っていた人は、二時間後もまだそこにいた。どこから聞こえてくるのか今ひとつわからない大音量の広告。次第に頭が痛くなる。新宿という街を、これからもずっと好きになれない気がしている。


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4 years ago

前後10年70年代

足が重い。体が怠い。会社を出て家に帰るまで何千マイルも歩かなければならないような気がしてくる。暑い。初夏じみた夕日が行く手のアスファルトを不必要に温めているのが見える。延々と続くその上を否応なく歩く。重力によって路面に吸い付く足裏を嫌々持ち上げては下ろす。脇をすり抜けていく自転車。どうしてこんな、大気と地表の間を徘徊しているのかよくわからない。

長く続く道を歩き続けていたらいつかアメリカにいるかもしれない、と働かない頭が夢想する。延々と続く道はいつか乾いた風に両側が開け、そのうち「66」の看板を掲げたロードサイドのコーヒーショップが姿を見せる。70年代(70年代というのはニュアンスに過ぎない、前後十年程度、70年代だろうと思っている)から営業していそうな、最近出来た店。ひとときの喧騒を通り過ぎると、再び何もない国道に出る。目的地であるところの我が家はもうすぐだ。と思っていると、広野に突如として現れた20年代風の小さな家に辿り着く。少しだけ開いたキッチンの窓からガンボの匂いがしている。疲労に疲労を重ねて帰路を辿ってきたけれど、いつの間にかルイジアナまで来ていたのだ。ルイジアナ。なんという長い道のりであっただろうか。しかしまあ、それをやってのけたのである。そう思って、充足した気持ちで玄関ドアを叩く。夢の中で全然知らない人の家に帰ってきた時の不可解な正当性を持って。


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4 years ago

210427

昨日は切り干し大根の煮物、キャベツの和え物、ピーマンのきんぴらとつくねを作り、鶏肉を蒸した。まだ使わない豚肉には醤油をしておく。今日は余っていた鶏肉と豚肉を合わせて挽き、タコミートを作った。昨日の買い物はこれで大体手を入れたことになる。魚の干物は食べたい日に焼けば良いし、まだある野菜はぼちぼち副菜に使っていこう。

このところ料理をそれなりにしている。しかし料理が捗る時はだいたい、書いたり、書くことについて考えたりすることから遠ざかっている時なのだ、ときゅうりを切りながらふと思う。私にとって料理が楽しいというのは一つの状態であり、停滞でもある。そしてこの停滞に対して進展があるとすれば、書くことに没頭してそれ以外の全てを放り出している状態に他ならない。自分でエンジンをかけていかなければとは思うのだけれど。


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4 years ago

今月は読了本が少ない。プラハの墓地が長いからだと思う。しかしこちらも大体60%まで来た。シモニーニの語りは偏見に満ちていて読み物としては決して美しくはないのだけれど、奇妙に愉快だ。今は偽造文書を売りつけようとしたら小説のネタにパクられてしまったところなのだが、ここからどうなるのか。

指輪物語は9巻まで読み終わった。ホビット庄に戻ってからの騒動は映画では描かれなかった内容なのでこんな続きがあったのか、と面白く読んだ。サルマンもこんな最後とは。港での別れのシーンはやはり涙してしまった。追補編も読み終えたら、改めて映画を観よう。

フォームへの回答も、ありがとうございました。あらすじを見て中々凄そうだなと思いました。折を見て読んでみたいです。


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4 years ago

210419

月曜から結構疲れている。昨日の夕飯は茄子の揚げ浸しとブロッコリー胡麻和え、青椒肉絲と甘酒の味噌汁を作った。さらに玄米を混ぜたご飯と、薄く作ったレモンサワー付き。これは外で食べたら2000円くらいするだろうなと自画自賛した。

副菜をいくつか作っておくと食事の支度が簡単でいい。料理は基本的に面倒でやりたくはない。何もなければ胡瓜でも齧っておけばいいくらいなのだが、時々作ることが妙に楽しい日がある。今日、茄子がまだ余っていたので味噌炒めにして、鶏を蒸して裂いておいた。二品。これ以上はやめておく。こういうことは疲れ果てるまでやっても仕方がないのだ。


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4 years ago

初めて未露光をやらかした。でも受け取りに行って「未露光でした」と言われた時、なんとなくそんな気はしていた。装填が甘かったのだと思う。念のため家に帰ってカメラを調べたけれど、シャッター幕も正常なので間違いなく装填の失敗。最近自動装填のカメラばかり使っていたから扱いが適当になってしまったのだと思う。いい天気だったこととファインダーから見た風景と歩き回った疲れだけが残されている。悲しい。気を取り直して行こう。


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4 years ago
東京都現代美術館で開催中の「マーク・マンダース マーク・マンダースの不在」展に行ってきた。朝一番で訪問したが、先客は皆同時開催のライゾマの方へ吸い込まれて行ったのでほぼ貸し切り状態、とてもゆったりと鑑賞することができた。インスタレーション独特の作者の頭の中を歩き回るような体験は奇妙で楽しい。「不在」や「未完成」といったものはある意味で理想的な形なのかもしれないな、と鑑賞しながら考えていた。内臓剥き出しのようにも見える「未完成」は生成でもあるが腐敗にも感じる。あるいは、恒久的に留まり続ける「過去」を鑑賞者の意識を通して遡るように感じる作品もあった。マーク・マンダースの文字ではなく立体を通じて語るという行いを、自分なりに少しは解釈できた、のだろうか。とにかく面白くて何度も行き来した。あと粘土か石膏に見えてブロンズ製の制作物が多くて、この辺の知識がないのだがあの質感、どうやって作るんだろう。

東京都現代美術館で開催中の「マーク・マンダース マーク・マンダースの不在」展に行ってきた。朝一番で訪問したが、先客は皆同時開催のライゾマの方へ吸い込まれて行ったのでほぼ貸し切り状態、とてもゆったりと鑑賞することができた。インスタレーション独特の作者の頭の中を歩き回るような体験は奇妙で楽しい。「不在」や「未完成」といったものはある意味で理想的な形なのかもしれないな、と鑑賞しながら考えていた。内臓剥き出しのようにも見える「未完成」は生成でもあるが腐敗にも感じる。あるいは、恒久的に留まり続ける「過去」を鑑賞者の意識を通して遡るように感じる作品もあった。マーク・マンダースの文字ではなく立体を通じて語るという行いを、自分なりに少しは解釈できた、のだろうか。とにかく面白くて何度も行き来した。あと粘土か石膏に見えてブロンズ製の制作物が多くて、この辺の知識がないのだがあの質感、どうやって作るんだろう。

順路最後にある床下に三羽の鳥の死体(のオブジェ)が埋められている部屋は普通に最高だったな。「大地は死に覆われている(けれど普通に地面を歩く時それに気づくことはない)」のだ。


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4 years ago
うたらば|短歌と写真のフリーペーパー
うたらば|短歌と写真のフリーペーパー
現代短歌の魅力を、短歌を知らない人に向けて発信しています。

アスパラの歌を採用して頂きました。


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4 years ago

21.03月読書

猫の事務所(宮沢賢治)

新版 指輪物語6(J.R.Rトールキン)

安田講堂攻防七十二時間 東大落城(佐々淳行)

おじいさんに聞いた話(トーン テレヘン)

よみがえる天才1 伊藤若冲(辻惟雄)

オリガ・モリソヴナの反語法(米原万里)*

トムは真夜中の庭で(フィリパ ピアス)

ライオンと魔女(C.S ルイス)

わたしを離さないで(カズオ イシグロ)

雪が降る(藤原伊織)

*フォームで勧めて頂いた本

最近購入した本もあるが、積読をいくらか消化できたので良かった。ナルニアはこれまで読んだことがなかったのだが、指輪物語を読み始めたのが良いタイミングとなった。

*は別所経由で勧めて頂いたのだが、あまりに面白くて一気に読み終えてしまった。登場人物がどんどん増えて行くけれど、全員にドラマがあり、しかも最後は綺麗に一つの結末へ行き着くのが最高だった。


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4 years ago

210410

210410

8巻。セオデンが奮い立ちゴンドールへ向けて勇猛に馬を進める様子を兵たちが神話の人物かと見紛う場面がとても良い。エウォインの女であるがゆえの苦悩、苛立ちが丁寧に描かれているのも良かった。それがあればこそその後の活躍は一層輝いて見える。

指輪物語の文体や言い回しは、この物語の神話的な性格に相応しいものだと思うのだが、この巻は特に痺れる表現がたくさんあった。デネソールが自分と瀕死のファラミアに火をかけての無理心中を思い立った際、高熱のファラミアの手をとって「この子はもう燃えておる」は特に好きなシーン。

それからエーコの「プラハの墓地」は、まだ15%程度。面白い。この雰囲気は同じエーコの「薔薇の名前」を帯文で引き合いに出された「グノーシスの薔薇」(デヴィッド・マドセン)を思い出す。などと言うとエーコファンには怒られるのかもしれないが、私はこの本が大好きだ。こちらも再読する機会があれば、また。


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4 years ago
SOPHIE - BIPP (Autechre Mx) (Official Stream)
BIPP by SOPHIE remixed by Autechre. Information — http://nmbrs.net/releases/sophie-bipp-autechre-mx-nmbrs67/Buy 12" — http://nmb.rs/SOPHIE-BIPP-AEMXStream/li...

オウテカ一生かっこいいよな、とずっと言っている気がする。なぜならオウテカは一生かっこいいので。今日ふと思い立って通勤中に聞いていた。ソフィーという才能が既にこの世にないことがあまりにも寂しい。

先月は何だかんだ10冊本を読み終えた。元々並行読書のスタイルを取っているので読了まで時間はかかるが、終わる時は一気に何冊も終わる。今年の読書目標はガーディアン紙選書の1000冊を潰して行くことなのだが、どうしてなかなか進んでいない。同じ作者でも他タイトルが気になってそちらに取り掛かってみたりしている。今はエーコの「プラハの墓地」を読み始めたところ。シオン賢者の議定書を生み出した偽書づくりの名手を主人公に、実在の人物が多数脇を固めていて面白い。


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4 years ago
AF35Mのいいところは動作音の全てがばかでかいところだと思う

AF35Mのいいところは動作音の全てがばかでかいところだと思う


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4 years ago

春に何かを思うのは、気温が上がり始めてせいぜい二週間かそこらの間だけの話で、気温が15度以上で安定してきたらもう別に言うことはない。桜も概ね散った。桜が年中咲いていたら今ほどには見向きもされないだろうが、大体同じ感覚で、私の春は既に終わった。閉店、さらば、またいつか。冬草の黄色く枯れた新緑の芝を砂漠のように歩きながら、次に吐くべき悪態を探している。適切な悪態を。


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4 years ago

#Maxありがとう

上越新幹線にて絶賛運用中のMaxとき(たにがわ)ことE4系が、ついにこの秋を持って運用終了となる。引退キャンペーンの一環として全編成に特別ラッピングが施されたと聞いていてもたってもいられず、退社後の足で東京駅へ寄ってきた。装備はといえば、スマホとISO100のフィルムが入ったカメラしかない。知っていればそれなりに持って出たのに、でもまあいいだろうと思って入場券を買った。とにかく「見てみたい」と言う己の気持ちを尊重することが重要だと思ったのである。

Maxは素晴らしい車両だった。子供時代、新幹線に乗る機会なんていうのは基本的に夏冬の長期休暇を利用した旅行に伴うもので、動機からして既に楽しい。しかも新幹線というものはただでさえ、大きくて速い。その上二階建てとくれば、それはもうとてつもなく素晴らしい存在だったのである。

親たちはいつも二階席をとって子供たちを喜ばせた。いい思い出だ。私は今でもできる限りMaxを選び、二階席に座る。ただいつの頃からか夏と冬の休暇期間だけは、かつての自分のような子どもたちに配慮(?)して、一階席に収まるようになっていた。乗る機会を持てない間も、Maxの走る姿を見るだけで嬉しかった。

Maxにとって最後の冬は終わった。融雪用のスプリンクラーが吹き出す水の霧に包まれながら入線するMaxを見ることはもうない。けれどまだ夏はやってくる。今年はどうだろうか。帰省の、あるいは旅行に向かう子どもらがステップを駆け上がって行く姿を見ることができるのだろうか。そうして彼らで満席になった車窓を見ることが。そうであってほしい。

最後の最後まで、Maxにとって、たくさんの人にとって、素晴らしい思い出が積み重なるように、心から願う。

#Maxありがとう
#Maxありがとう

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4 years ago
Https://www.esquire.com/jp/lifestyle/tech/a33977776/elon-musk-says-settlers-will-likely-die-on-mars/

https://www.esquire.com/jp/lifestyle/tech/a33977776/elon-musk-says-settlers-will-likely-die-on-mars/

先日サンラーのスペースイズザプレイスを観に行った。宇宙探査に世の中が湧いている昨今、誰がどの段階でこの作品を上映しようと企画したのだろう。サービスデーを避けて観賞したが、平日の夜にも関わらず結構な人入りだった。企画する方が企画する方なら観に行く方も観に行く方ってなもんで、シネマカリテ、いいシアターである。


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4 years ago
塗ったように青い日があった

塗ったように青い日があった


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4 years ago
wut are u into
好きな映画や小説・漫画などよければ教えてください
4 years ago

東京に来て随分経つけれど、この都市に対してずっとコミュ障を発揮している


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4 years ago

印刷物を作るとき、データ入稿後はいつも不備連絡が来るのではと落ち着かない。無事可の連絡をもらったので安堵して発送を待つ。

先月三島由紀夫vs東大全共闘を見た関係で佐々淳行「東大落城」を読んだ。警察側の立場での奮闘がよく描かれていて面白かった。これまでなんとなくのイメージで学生、パワーあったんだなとぼんやりした感想を持っていたのだが、警察は警察で凄まじいというか、昭和という時代はとんでもなかったんだなと、ぼんやりの範囲が広がるに至る。

学生たちが道路のコンクリートを剥がして武器にしてしまうので、機動隊で先回りして剥がしたところ道路局が何事かと飛んできたというエピソード、良い。


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4 years ago

善悪と敵味方は等しくはない。世界が白か黒の二択ではなくても、自分にとっての白と黒はある。正しさは存在する。しかし一つではない。誰かにとっての間違いでも、自分にとっての正しさを見失わないように。


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4 years ago

自分にとっての「書く」という行為そのものについて、あるいは重要性を他者に語る理由がよくわからないなと思うなどしている。


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4 years ago
昼から予定があったので午前中は在宅した。なんとなく思い立ってキッシュを作る。タルト生地を作るのは面倒だったので冷凍のパイシートを使った。具を炒めるのも面倒だったのでレンジで加熱したものをそのまま入れた。それでも大体いいように出来る。だけどまあ、次回はきちんとタルト地を焼こう。

昼から予定があったので午前中は在宅した。なんとなく思い立ってキッシュを作る。タルト生地を作るのは面倒だったので冷凍のパイシートを使った。具を炒めるのも面倒だったのでレンジで加熱したものをそのまま入れた。それでも大体いいように出来る。だけどまあ、次回はきちんとタルト地を焼こう。


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4 years ago
um1aut - 月刊地獄めぐり

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4 years ago

1970/2019

指輪物語の合間にKindleで買った本を消化しているのだが、ドナルドキーン先生の本ばかり読み進めている。三島由紀夫と深く親交のあったことは知識として知っていたが、自身の言葉で語られる三島像はやはり面白く、興味深い。私は昔から三島の書く文章に苦手意識があって、「金閣寺」が良かったこと以外の記憶があまりない。没後50年ということで各所の特集を色々と読んだりもしたが、結局「まあ金閣寺は良かったよね」以上の感想を持てなかった。しかしここへきてキーン氏が「三島さん」と親しみを込めて回想するのに触れて、また少し読んでみようかという気になっている。


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4 years ago

春雷を待つ

指輪物語2巻を読み終わった。相変わらず物語の進行は遅々としているように感じる。何しろまだ裂け谷にも辿り着いていないのだ。それはそれとして、映画では省略されていたトムボンバディルのくだりや、踊る小馬亭での騒動が面白かった。しかしフロドが偽名に用いた「アンダーヒル」はわざわざ「山の下」と訳さなくても良かったのでは、と思わなくもない。ギャムジー、トゥック、ブランディバックときて山の下さんというのもどうだろうか。

だいぶ暖かいので一日中窓を開けていた。強い風が吹き込んできて家の中の色々なものを揺らめかす。キーボードを打つ指の間を通っていく。それと同時に自分自身がそこからこぼれ落ちていくような感覚を持つ。自分の肉体から自分自身が抜け落ちたら、あとには何が残されているんだろうか。


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4 years ago
um1aut - 月刊地獄めぐり

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4 years ago

花粉の時期になってきたので、いつもの耳鼻科に行って薬を処方してもらった。医院は全然患者がきておらず、私の他に一人しかいなかった。近所に同じような診療をする病院があって、どうもそちらの方が評判がいいらしい。こちらの先生はよく言えば気さくで、悪く言えばがさつな人なので、人によっては合わないと感じるのだろう。私は別段いやな思いをしたこともないので、空いているのをありがたく通っている。

帰り道、入試を終えて帰宅する一団と一緒になった。そういえば、そんな季節なのだと気がつく。今は年中大して代わり映えのしない生活をしているけれど、学生の頃は色んなイベントに揉まれながら常に先へ、先へと向かって生きていたのだなあ、となんとなく思い出した。春先の夜は霞んで明るい。


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4 years ago
1巻読み終わった。未だホビット庄を出ていないことに驚く。そしてやはりホビットの冒険を読んだ後なので、諸々理解が及んで楽しい。映画のフロドは若者だったので、原作では五十歳なこと、五十歳なのでそれなりに落ち着きのある雰囲気なのが新鮮で面白い。

1巻読み終わった。未だホビット庄を出ていないことに驚く。そしてやはりホビットの冒険を読んだ後なので、諸々理解が及んで楽しい。映画のフロドは若者だったので、原作では五十歳なこと、五十歳なのでそれなりに落ち着きのある雰囲気なのが新鮮で面白い。

ホビットの冒険でもそうだったが、食事の様子が美味しそうで良い。きのことベーコンの料理なんて容易に味の想像がつく(確かに美味しい)けれど、物語に出てくると途端に食べたい気持ちが湧いてくるから不思議だ。それから森で出会ったエルフたちが振る舞ってくれた食べ物。「泉のように冷たくて黄金色をした飲み物」は一体どんな味なのだろう。それが宴席で供される場面もいいのだが、水筒に詰めてもらったのを飲むのがいかにも美味しそうだった。いや、どんな感想だ。

あなたの周りは、いたるところ広い世界。垣根をきずいてとじこもることはできても、垣根の中にいつまでも外の世界を入れないでおけはしないでしょう。(新版指輪物語1 191ページより)


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